【カフェ開業】保健所への事前相談に行くタイミングや手続きの流れを解説

カフェの開業を考えているけど、いつ頃保健所に相談に行くべきなんだろう・・・?と悩んでいませんか?

この記事では保健所に4回行った際の相談内容や保健所から指摘されたこと、アドバイスをもらったことについて解説します。

自宅やDIYでカフェの開業を目指している方のお役に立てると嬉しいです。

ミリコ

\\ この記事を書いた人 //
こんにちは、ミリコです
40代独身派遣社員(ニャン太2匹と生活中)
東京と田舎の二拠点生活をしながら
田舎でライダーズカフェを開業するために奮闘中です🎶

開業予定のカフェの内容(私の場合):
・田舎の祖母宅の古い外のキッチン(小屋のようなもの)を改装して飲食店営業許可を取得予定
・営業形態 :テイクアウトのカフェ
・客席   :ない。テイクアウトした飲食物を自宅の庭で食べてもらう
・ターゲット層:バイカーとサイクラー専用のカフェ
・内装や外装:できる限りDIY

目次

飲食店営業許可とは

「飲食店営業許可」は、カフェ等の飲食店を開業する際に必要となる公的な許可です。

食品衛生法に基づいており、衛生的に飲食店の施設や食品が扱われているかを確認するためのものです。

・取得方法 :管轄の保健所による実地検査を受けて合格する必要がある
・申請方法 :店舗を管轄する保健所の窓口で申し込む
・申請費用 :18,300円 ※新宿区の場合。各地域により金額は異なる
・必要書類 :「営業許可申請書」「施設の構造及び設備を示す図面」「食品衛生管理責任者証明書」

飲食店営業許可取得までの流れ
  • 事前相談
  • 申請書類の提出 (※この時に「食品衛生責任者」を取得している必要がある)
  • 施設の実地検査
  • 許可証の交付

詳しい申請の流れ等については、こちら→「厚生労働省 一般的な営業許可手続きの流れ」

今回は、①「事前相談」について、保健所にいつ・何を聞くべきなのか?を私の経験に基づいて解説していきます。

保健所にはいつ行くべきか

保健所への相談は、「施設の着工前」に、図面を持っていきます。

すでに着工した後で相談に行ってしまうと、場合によっては衛生上の条件をクリアしていない等の理由で工事をやり直す必要が出てしまいます。

余計なコストを抑えるためにも、必ず「着工前」に図面を持っていき、このまま工事を進めて問題ないのか事前に相談するようにしましょう。

すでに物件を取得している必要はありませんが、飲食店営業許可の条件は各地域により若干異なるため、どの地域で開業するかは決めて、管轄の保健所に行く必要があります。

図面は手書きで問題ありません。下記のように必要な項目を定規等を使って記載していきます。

>>【DIYでカフェ開業】素人でもできる!設計図作成のコツと保健所への相談を解説

前準備

保健所に相談に行く際には、お店の形態、メニュー、設備等の配置を決めて、図面を記載しておく必要があります。

担当者から、何を提供するお店なのか?客席のあるレストラン(カフェ)なのか?という質問が必ずあります。

そのため、ある程度お店のコンセプトや提供する商品を決めてから相談にいくと、自分が欲しい情報を得ることができます。

お店の形態をどうするか

カフェを開業しようと思ったら、まず最初にコンセプトをどうするか、ターゲット層は誰かを考える必要があります。

それにより、どのあたりでどれくらいの大きさの物件が必要になるのかがわかってきます。

例えば、キッチンカーにして飲み物と軽食を提供するのか、自宅カフェにするのか、物件を借りてカフェにするのか・・・

どんなお店なのかによって相談内容も変わってくるので、自分のお店の方向性を決めましょう。

私の場合、最初はすでに庭にあったガレージを使って「ガレージカフェ」にしようと思っていましたが、初期費用がかなりかさみ、少なくとも数百万は必要でした。

まずは失敗しても致命傷を負わない程度で、「小さく始める」ことを目標にしていたので、代替え案として、むかし祖母が使っていた外にあるキッチン(小屋)を改装して、そこで営業許可を取得することにしました。

モーレ

一つの案に固執しすぎず、色々な可能性を探ってみよう!

客席はどうするか

カフェの場合、客数や回転数により売り上げが変わってきます。

客席が少なくてもテイクアウトも取り入れればある程度の売り上げが見込めるでしょうし、客席が多い店舗となると家賃がかさみます。

ワンオペで運営する場合には、テイクアウト専門にしてもいいでしょうし、客席はかなり少なくても良さそうです。

事前相談の際には、細かい客席数の情報は不要ですが、客席➕従業員数が30人を超えると「防火管理責任者」の配置が必要になったりするのでそこも考慮に入れておきましょう。

私の場合は、ガレージ内にキッチンと客席を作って「ガレージカフェ」にする案が頓挫したので、客席問題を解決する必要がありました。

思い切って「テイクアウト」のお店にして、客席は設けないスタイルにしたらどうか?

保健所に相談した結果、『テイクアウトした食べ物をどこで食べるかは消費者の自由』ということがわかりました。

そのため、庭に使っていない椅子やテーブルを置いてそこで自由に食べてもらうことで方向性が決まりました。

ミリコ

まずは小さく始めて様子をみてみることにします。もし繁盛したら、2号店としてきちんとした店舗を作るのが夢です🎶

お店の商品はどうするか

事前相談で図面を持って保健所に行くと、「どんな飲食物を提供するのか?」を聞かれます。

それにより、必要な設備や許可が変わってくるためです。

例えば、パンやお菓子を製造して販売する場合には「菓子製造業」という許可が必要になる場合があります。

自分のお店にはどのような許可が必要になるのか、ある程度は決めてから相談に行くようにしましょう。

どんなメニューのお店にするのかある程度決めて、必要な許可を確認しましょう

ミリコ

カフェで作ったパンやお菓子を提供する場合、飲食店営業許可とは別に、『菓子製造業』を取得する必要があるケースがあります。自分のお店にはどんな許可が必要になるのか、保健所にしっかり相談してくださいね

保健所がOKを出すポイント

事前準備が整ったら、保健所に相談にいきましょう!

内装工事を行う前に、不安なことや必須条件など全て確認するようにしましょう。

保健所は、衛生法に基づいて施設が衛生的に運営できるかどうかを確認します。

ポイントを抑えれば保健所の検査はクリアできるので、保健所がみるポイントを確認しておきましょう。

保健所が見るポイント

・客席と厨房の間に仕切りはありますか?(看板など簡易的なものでもOK)
・シンクの数やサイズは十分か
・厨房の床は洗い流して掃除しやすいか(水を弾く素材である必要がある)
・内壁は拭き取り掃除がしやすいか
・換気は十分かどうか
・害虫の侵入は防げるか
・更衣室があるか
・客席にトイレと手洗いはあるか
・厨房に手洗いがあるか
・食器棚があるか
・衛生的なゴミ箱はあるか

客席と厨房の間に仕切りはありますか?

お客さんからみて、客席と厨房がわかりやすく仕切られている必要があります。

「ここからは入ってはいけない」とわかるよう、看板を置いたり、スウィングドアを取り付ければ問題ありません。

シンクの数やサイズは十分ですか?

シンクの数やサイズは、各都道府県により条件が異なります。

二層式が必須であったり、サイズに細かい指定があるケースもありますので、管轄の保健所のサイトから必須事項をしっかり確認しましょう。

「使用目的に応じた大きさ及び数のシンクを設置すること」などと若干わかりずらい記載がされていますが、最低二層式のシンクは必須と考えてください。

食べ物を洗うシンクと、食器を洗うシンクは別でなければなりません

提供するメニュー次第では、三層式のシンクが必要な場合もあるでしょう。

シンクを購入する前に、必ず保健所の方に相談しましょう。

厨房の床は洗い流して掃除しやすいか

厨房の床は、水で洗い流して掃除できる材質である必要があります。

コンクリートが一般的でしょう。

タイルにしてもいいか保健所の方に確認しましたが、うちの管轄の保健所では「タイルは目地に汚れが残るので不可」とのことでした。

モーレ

各都道府県によって異なるんだね〜。着工前にしっかり確認しないといけないポイントだね!

内壁は拭き取り掃除がしやすいか

火や水を扱うスペースの壁は、耐熱素材で水拭きができる壁であることが必須条件です。

内壁は、床面を掃除する際に汚れる可能性のある腰くらいの高さまで「不浸透性材料」で腰張りされている必要があります。

腰の高さより上は、水拭きがし易い素材であれば問題ありません。

私の管轄の保健所の方は、『凸凹していて汚れがたまり易い素材の壁だと不適切』とアドバイスされました。

換気は十分かどうか

火を取り扱う場所の真上には換気扇の設置が義務付けられています。

換気扇は、シャッター付きなど外から虫が入らないような対策がされていて、フードやダクトはその上に埃がたまらない構造である必要があります。

ミリコ

どんな種類の換気扇が必要なのか不安があれば、保健所の方にしっかり相談してから購入してください。

害虫の侵入は防げるか

厨房に窓がある場合は、必ず「網戸」を取り付けて昆虫等の侵入を防止する構造であることが必須です。

モーレ

窓に網戸をつければこのポイントはチェックできるね!

更衣室があるか

従業員専用の更衣室や更衣ロッカーなどが設けられている必要があります。

飲食店の場合、更衣室と厨房が同じ場所にあるのはNGです。

ただ、更衣室がなくてもカゴなど衣類を入れておけるものがあればOKをもらえる場合もあります。

小さなカフェの場合は更衣室を別途設けるのはかなり難しいので、カゴで代替えできるのか、他に方法がないか保健所の方に相談してみましょう。

客席にトイレと手洗いはあるか

客席側にトイレと手洗いを設置されているか確認されます。

衛生面から考え、調理場とトイレの間の隔たりがドア1枚しかない構造は認められません。

また、トイレ専用の手洗い設備を設置することが義務付けられています。

トイレの設置は食品衛生に直結するので、設置場所も含め保健所の方に相談してから工事を始めることをオススメします。

厨房に手洗いがあるか

調理場には、従業員用の手洗い場の設置が義務付けられています。

これはシンクとは別に設置する必要があります。

手洗い場のサイズの規定がある都道府県もありますが、最低限、肘まで洗える大きさであることが推奨されています。

また、手洗い場の蛇口は肘(ひじ)で操作ができること、手洗い場には消毒用の手洗い洗剤があることが条件です。

食器棚があるか

食器や食品を保管する設備には、きちんと扉がついており埃などを防げる環境を整える必要があります。

扉がついていれば、吊り戸棚でも問題ありません。

グラスが吊り下げられていても問題ないかなど、疑問に感じたことは全て相談してみましょう。

衛生的なゴミ箱はあるか

ゴミ容器は、汚液や汚臭が漏れないような構造で蓋がついているゴミ箱を準備する必要があります。

モーレ

足で蓋が開く構造のゴミ箱だと、衛生的だよね!

事前相談についての私の体験談

私の場合は、お店のメニューや物件について大体の目安はついたけど、外にある小屋を改装しても保健所の検査が通るのかよくわからなかったため、なんとなくの案が出た時点で相談にいくことにしました。

1回目の相談の時は、まだガレージカフェの可能性を模索していたので、それも一緒に相談してみました。

保健所への相談内容
  1. ガレージを改装したガレージカフェには何が必要なのか
  2. 祖母宅(自宅)のキッチンで飲食店営業許可は取れるのか?
  3. 外にある小屋を改装して飲食店営業許が取れるのか?
  4. 図面を見せて検査が通りそうか確認

ガレージを改装したガレージカフェには何が必要なのか

ガレージを改装してカフェにすることはもちろん可能でした。

保健所の回答

・ガレージを改装してカフェにすることももちろん可能です。その場合には、街でよく見かけるカフェのように、キッチンスペース、客席、トイレ等をガレージの中に設置する必要があります。例えばこの図面(下記)のような形でガレージを改装していく必要があります。

例:図面例

ガレージにキッチンを作るのはなかなか費用がかさむなぁと頭を痛めていました。

椅子やテーブルはDIYで作成できても、キッチンの設備はそうはいきません。

ここで一回、「DIYでカフェ開業」プロジェクトは停滞することに・・・

ミリコ

最初は、「ガレージカフェ」としてしか考えていなかったので、費用面を考え、カフェプロジェクトはこの時点で白紙になりました 涙

自宅のキッチンで飲食店営業許可は取れるのか?

ガレージカフェと同時に考えていたのは、祖母宅そのものをカフェにすることでした。

古民家といえるほど素敵な家ではないけど、この家を使えないか?と考え、保健所に相談してみました。

保健所の回答

・自宅をカフェにする場合には、「カフェ」の部分と、「住居」の部分を完全に分ける必要がある。例えば、1階が店舗スペースで2階が住居スペースといったように。ただ、もしその家が、「空き家」状態で普段誰も住んでいないのであれば、その家のキッチンで「飲食店営業許可」を取得することは可能です。

祖母宅は平家でしかも普段私の両親が住んでいるので、住居スペースと店舗スペースを分けるには、家の中にもう一つキッチンを作る必要がありました。

自宅を使うより空き家を探す方が現実的だと思いました。

ミリコ

自宅を改装してカフェにする方もいますが、賃料はかからない分、改装等で初期費用はかなりかさみます

外にある小屋を改装して飲食店営業許が取れるのか?

母屋とは別に、むかし祖母が使っていた外のキッチン(小屋)がありました。

中にはカマドがありそこで料理をしていたようです(母屋ができる前)。

この小屋の写真を見せ、ここを改装しキッチンにしたら「テイクアウト」のお店として「飲食店営業許可」が取れるのか確認しました。

保健所の回答

・住居とは完全に離れているので、営業許可の条件を満たすよう中を改装すれば可能です。ガスコンロの近くには必ず換気扇が必要で、窓が開閉できるなら「網戸」をつける必要があります。シンクやガス台周りは、掃除がしやすい材質の壁や床である必要があります。

これは朗報でした。

あれ?この小屋がもしかして使えるかも?

当初の、「ガレージカフェ」からはだいぶ離れましたが、この小屋を改装して飲食店営業許可を取得するのが一番現実的であり、リスクが低いと思いました。

もし、カフェがうまくいかなかったとしても、親戚が多く集まるのでこの外のキッチンは大活躍します。

図面を見せて検査が通りそうか確認

保健所で相談した結果を家に持ち帰り、家族と相談しました。

ガレージカフェを考えていたため、「外の小屋を改装してテイクアウトのカフェ」に決定するまでにかなり時間がかかりました。

最終的に外の小屋を改装して飲食店営業許可を取ることに決めた後、再度図面を持って保健所に相談にいきました。

手書きの図面を見せて、「販売する商品」「必要な設備」「設備の位置」などを説明しました。

内装の工事を始める前に、図面を見せて保健所の検査が通るのか相談にいくのがベストです。

内装工事に着手した後で、保健所の条件を満たしていないことがわかると、時間と費用がかさみます。

必ず、内装工事を着工する前に、保健所に図面を持って相談にいきましょう。

保健所の回答

・おおむね、この図面通りに内装工事をすれば問題ない。シンクは1層でいいが理想は2層式にして食料と食器を洗う場所を分ける方がベスト。手洗い所はあまり小さすぎず腕まで洗えるくらいの幅があるのが理想的。換気扇は、料理している最中に十分換気ができる大きさでないと、湿気が貯まりカビやすくなるのでできれば大きな換気扇の方が良いでしょう。ただ、全て理想なので保健所のサイトに載っている条件を満たしていれば検査は通ります。

とのことでした。各都道府県によって、シンクも2層式が必須の場合もあるため、管轄の保健所のウェブサイトをしっかり確認しましょう。

まとめ

古民家や自宅などを使ってカフェを開業しようと思っている、DIYでカフェ開業を使用と思っている場合などは、疑問に思ったことをリスト化して何度か保健所に相談に行ってみましょう。

どうしたら保健所の検査に通るのか、相談にいくと解決策などを一緒に考えてくれます。

一人で悩んでいるより、保健所の方に相談に乗ってもらった方が近道です。

保健所に相談にいく際に必要なもの

・どんな業態のカフェにするのか
・どんなメニューを出すのか
・手書きの図面

「カフェを開業したい」と思ったら、保健所に相談にいって可能性を探ってみましょう。

相談にいくのはタダですし、より一層現実味が帯びてきてモチベーションアップにもつながります。

私が最初に保健所に相談に行ったのは、今から3年ほど前で、まだ何も決まっていない時でした。

相談にいく前の私は、

ミリコ

「むりだろうなぁ〜」「カフェ開業なんて夢のまた夢だよな〜」

と半分諦めていましたが、実際に保健所の方の話を聞いてみると、

ミリコ

「あれ?もしかしたら本当にできるんじゃない?いや、これは絶対にできると思う!!」

と、どこからともなく自信が湧き出てきたのを覚えています。

どうぜ無理だと最初から諦めずに、少し行動を起こしてみると、光が見えてきますよ!

4回目の相談をした時に、『この通り工事をすべれ営業許可の検査は通りますので、工事が終わったら、飲食店営業許可の申請をしてください』と図面での合格をいただきました!

今、工事を進めているので保健所の検査が終わったらその経験談をまたブログにしていきますので、乞うご期待!

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