田舎と都会の二拠点生活を始めてからというもの、コーヒーの香りが一段と心に沁みるようになりました。
そんなある日、手網焙煎という世界に出会い、「自分の手で豆を焙煎できたら…」という思いが芽生え始めました。
ライダーズカフェで「ここにしかない味」を提供したい!
そんな想いから始まった、私の手網焙煎への挑戦。
火加減やタイミングが難しく、焦がしてしまったり、思い通りにいかなかったり。
でも、その失敗さえも楽しい!!
豆の香りに癒されながら、理想のライダーズカフェ用の豆を自分で焙煎する!
今回は、初心者である私がゼロから始めた自家焙煎のリアルな記録をお届けします。

\\ この記事を書いた人 //
こんにちは、ミリコです
40代独身派遣社員(ニャン太2匹と生活中)
FP2級取得
東京と田舎の二拠点生活をしながら
田舎でライダーズカフェを開業するために奮闘中です🎶
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手網焙煎とは?
自宅でコーヒーを飲む場合、すでに焙煎されたコーヒー豆を購入している方がほとんどだと思います。
焙煎される前のコーヒー豆は生豆(なままね・きまめ)といい、コーヒーの果実から果肉や皮を取り除いた種子の状態で、薄い黄緑かかった色味をしていて草っぽい独特の香りを放っています。
この生の豆に火を通すことで、私たちが普段見ている茶色のコーヒー豆になるのです。
そもそも焙煎って何?
コーヒーの味は「焙煎」によって大きく左右されます。
焙煎とは、生豆(グリーンビーンズ)を火にかけ、熱を加えて香りや風味を引き出す工程のこと。
浅煎りなら酸味が強く、深煎りなら苦味が際立ちます。
まさに、コーヒーの個性を決定づける魔法のプロセスなのです。
通常は、焙煎機という機械を使用して焙煎しますが、手網などを使って直火で焙煎することも可能です。



焙煎時間や熱・圧力の加え方によって焙煎の深さが変わるよ!同じ味を出すのが非常に難しいのが焙煎という工程なんだよ!
手網焙煎の特徴と魅力
手網焙煎は、直火で網を振りながら豆を焼くシンプルな方法です。
機械を使わず自分の手で調整する分、ダイレクトに火加減や豆の変化・香りを感じ取れます。
網と火があればできるので、キャンプや屋外でも楽しめるのが魅力の一つです。
何より「自分の手で焼いた」という満足感が段違いです。



焙煎の練習をし始めてから、自家焙煎で販売されているコーヒー豆がやたら気になるようになりました
なぜ手網焙煎から始めたのか
最初は本格的な焙煎機の購入も検討しましたが、値段も高くハードルが高い。
超本格的な焙煎機となると、車が買えるほどの値段になります。
そんなとき見つけたのが、手網焙煎。
安価(私の網は1,500円程度)で始められて、場所も選ばない。
「これなら私にもできそう!」と思い、すぐにAmazonで購入しました。
私が購入したのは、アマゾンで1,500円程度のこちらの商品です(セールの際は1,400円程度で買えます!)。
手網焙煎に必要な道具



自宅で焙煎するのって色々な器具が必要そうじゃない?



全くそんなことありませんよ!手網の煎器があれば、あとは自宅にあるものでできちゃうんです!
最低限そろえるべき道具一覧
- 手網(片手または両手タイプ)
- カセットコンロ(自宅のガスコンロでもOK。ただし、チャフという薄皮で汚れます)
- 生豆(グリーンビーンズ)
- 軍手
- ステンレスのザル(豆を洗うのと、豆の冷却用)
- うちわ or ドライヤー(冷却用)
- 温度計(手鍋で焙煎する場合あると便利)
生豆の購入方法
普段コーヒーを飲む方でも、生豆を購入したことはないかもしれません。
コーヒー豆を自家焙煎して販売しているお店に行くと、焙煎前の生豆も一緒に販売しています。
最初は、どのようなお豆を購入すればいいのかわからないと思うので、お店の方に聞きながら購入するのが一番いいでしょう。
慣れてきたら、オンラインでも購入可能なので好きな豆を購入してみてください。



オンラインの方が安く購入できるよ!
会員登録などが面倒な方は、Amazonでも購入可能です。
初心者におすすめの生豆
どれを買ったらいいかわからないよーーー!という方は、何も言わず目をつぶってこちらを購入してください。
Amazonや楽天から購入できて、100gずつ5種類のお豆が入っているので味を試すには最適です。
値段も割安なので始めて焙煎する方にはちょうどいいと思います。
道具選びのコツと代用品
網はしっかりした金網製で、振っても壊れないものが◎。
100均のBBQ網に取っ手をつけて代用している方も見たことがあります(笑)。
網ではなく、片手鍋でも実は焙煎ができるので、自宅にあるお鍋で挑戦してみてもいいかもしれませんよ。
キッチンのガス火でもOKですが、煙が出るのと、茶ふという生豆についている薄皮が舞うので換気を十分行いながら実施しましょう。
冷却用のうちわは、ドライヤーで代用可能です。
私は、手が疲れるのでドライヤーを使っています(冷却しないと、豆のローストがどんどん進んでしまう)。
手網焙煎のやり方・手順
今回は、手網を使った焙煎方法をご紹介します。
まず、生豆や焙煎に使う道具はすでに揃っていることを前提として、実際に焙煎するところから解説します。
豆が欠けていたり、黒ずんでいるもの(かび)、小さな穴があるもの(虫食い)、変な形(発育不良)、中身がない(貝殻豆)などは取り除きます。そのほか、なんかこの豆、変!と思ったら、取り除きましょう。このような豆を取り除くことで、嫌な渋みや臭み・苦味を抑えることができるので、このハンドピッキングはとても重要な工程です。
最初は、100gもしくはそれ以下くらいで始めましょう。50℃くらいのお湯でお米を研ぐように洗います。茶ふというお豆の薄皮が取れてくるので何度か洗います。
ある程度茶ふが取れたら、1分程度お湯に浸します(浸しすぎに注意!)
キッチンペーパーなどで水気を十分拭き取ります。このままお豆を放置すると豆がふやけるので、水気を拭き取ったらすぐ焙煎を開始します。
開始〜2分程度:火は中火。網は火から20~30cm程度の距離。
網を左右に振ってまずは水分を飛ばします。しっかり水を飛ばさないと渋みや苦味の原因になります。焦がさないようしっかり水を飛ばしましょう。水が飛ぶと、豆は白っぽくなります。
2分頃〜 :この頃から茶ふが落ち始める
網を左右に振り続けます。茶ふが舞いはじめるので、コンロ周りが汚れ始めます(笑)
3分頃〜 :網を火から20cmまで下げる
網を左右に振り続けます
5分頃〜 :豆の色はまだ黄緑
網を左右に振り続けます
6分頃〜 :網を火から15〜20cmまで下げる
網を左右に振り続けながら、網を火から15cm~20cm程度まで下げていきます
7分頃〜 :豆の色が茶色に色味はじめる。メイラード反応(甘味)と渋みを引き出すカラメル化が起こりはじめる
8分頃〜 :網を火から10cmまで下げる
網を左右に振り続けながら、火から10cmのところまで下げていきます。しっかりとメイラード反応を起こさせます
9分頃〜 :豆の色が茶色。パチパチという音の1ハゼ(センターカットの中の水蒸気が爆発する音)が聞こえはじめる。
網を左右に振り続けながら、火から20cmくらいまで上げる。渋みを抑えたい場合は、25cmくらいまであげる。1ハゼの終わりは浅煎りとして十分飲めます。もしここで止める場合は、豆をザルに移して、ドライヤーで冷やします(冷やさないとローストが進んでしまう)
10分〜12分頃 :網を火から離したり戻したりして豆を少し休ませる
12分頃〜 :ピチピチという甲高い小さな音の2ハゼ開始 網を火から3cm〜5cmまで下げる
豆自体が膨らみ始め、シワが伸びて表面に細かい亀裂が生じはじめる(これが2ハゼの理由)。この頃になると中煎り〜深煎りなので好みの焙煎度合いになったら、豆をザルに移して、素早くドライヤーで冷やします(冷やさないとローストが進んでしまう)
<⚠️>網を火に近づけすぎると豆を焦がしてしまうので、焦がさないよう十分気をつけましょう
火加減・時間の目安
中火が基本。慣れてきたら、強火にして網の高さだけで調整できるようになります。
強すぎると外だけ焼けて中は生焼けになってしまうので、火加減や網の高さは重要です。
時間的には、平均で10〜15分が目安ですが、冬の場合は少し長くなるし、火加減や網の高さにより異なります。
慣れないうちは、最初から深煎りを目指さず、浅煎り〜中煎りあたりで止めるのが安心です。
保管方法と鮮度の話
焙煎直後のお豆からはガスが発生します。
焙煎時にコーヒーの生豆内で化学反応が起こるためで、焙煎直後のコーヒー豆を粉にしてコーヒーを入れると、ドーム状にむくむくと膨らみます。
これは、炭酸ガスが一気に放出されるために起こる現象です。
一般的には、焙煎後2〜3週間が飲み頃と言われていますが、焙煎したての豆は、1日〜2日ほど置いた方がガスが抜けて味が安定します。
コーヒー豆はとてもデリケートなので、湿気、温度、酸素、光(太陽)を避け、密閉容器に入れて冷暗所で保管するのがベストです。
焙煎した豆は、1〜2週間で使い切るのが理想です。
焙煎がうまくいかない原因
私が最初に焙煎した時、火加減や網の高さがよくわからず、豆を焦がしてしまいました。
火加減も網の高さもよく感覚が掴めず、本で読んだ焙煎時間の目安にとらわれすぎて、同じ時間に同じ現象が起こらないと焦って網を火に近づけすぎたりしていました。
私が最初の頃に気づいた、焙煎がうまくいかなかった原因をご紹介します。
火が強すぎて焦げる
焙煎に慣れてきたら最初から最後まで強火にしたままで網の高さで調整しながら焙煎ができるようになります。
しかし、初心者のうちから強火で焙煎してしまうと、網の高さの調整がうまくできず、豆を焦がしてしまいます。
最初のうちはまずは中火程度にしてあまり目安の時間に囚われすぎず、豆の色や音を聞きながら焙煎していくことをおすすめします。
火が弱すぎる
逆に、焦がしてしまうことが怖くて弱火で焙煎してしまうと、今度は焙煎がうまく進まず中の水分がうまく抜けない場合があります。
中の水分がうまく抜けないと、外は焼けているけど中は生になってしまいます。
火加減は、強すぎず弱すぎない中火が最も焙煎しやすい状態です。
網を振るスピードが遅くムラが出る
焙煎中、網を左右に振り続ける必要があります。
途中で手が疲れてくるのでつい振るスピードがゆっくりになってしまうこともあるでしょう。
網を振るスピードが遅すぎたり、スピードが一定でない場合、焼き加減にムラが出てしまいます。
できる限り、一定のスピードで振り続けましょう。



かなり腕が疲れるんだよね〜。でも慣れてくると、力の抜きかげんもわかってくるよ!
途中で手を止めてしまう
実際に私がそうだったのですが、焙煎の途中で家族に話しかけられたり、電話が来てしまったりして手を止めてしまったことがありました。
荷物が届いたりと予期せぬ事態で焙煎の手を止めてしまうと、火がうまく豆に通らなかったり、中の水分が十分に抜けなかったりと焙煎が思うように進みません。
焙煎を開始した豆はとても繊細です。焙煎中は手を止めずできる限り焙煎に集中しましょう。
初心者のつまずきポイント
煙とニオイの対策
屋内でやるときは、必ず換気扇を最大にしましょう。
私は最初に室内でやって、家族に怒られました(笑)。
煙がかなり出るので、焦げ臭さが残ってしまいます。
また、チャフというコーヒー豆の薄皮が焙煎とともに舞いはじめるので、ガスコンロまわりはチャフだらけになります。
ベランダなど、屋外での焙煎をお勧めします。
ただ、煙が出るのと音が出る分、ご近所にも配慮を忘れずに!
うまく焙煎できない
初めのうちは豆を焦がしてしまったり、中が生だったり、理想の焙煎具合で止められないなど、失敗が続くと思います。
失敗したお豆を捨てるのは惜しい。でも失敗したお豆は増える一方・・・それで辞めてしまうのは勿体無い!
初めのうちは、50g〜80g程度の少量を焙煎すれば失敗してもお豆はさほど無駄にはなりません。
最初から200gなど大量に焙煎せずに、少量を数回焙煎してみると、なんとなくコツを掴めてきますよ!
焙煎してみて感じたリアルな感想
買った豆との違い


一番の違いは「香り」です。
焙煎しているときから広がる芳香、生きている豆を扱っている感覚。
そして何より、飲んだときの鮮度が段違い!
同じ豆でも、自分で焙煎したことで市販品とは全く別物に感じました。
自家焙煎で変わったこと
コーヒーを「飲む」から「作る」へ。
嗜好品から、生活の一部に変化しました。
豆を選ぶ楽しさ、焙煎度を試す喜び、そして誰かに淹れて喜んでもらえる嬉しさ。
毎日のコーヒータイムが少し豊かになりました。
次に挑戦したいこと
今後は、独自のブレンドにも挑戦したいと思っています。
浅煎りと深煎りを組み合わせてみたり、国別の豆の特徴を活かしたり。
夢は、自分で焙煎した豆をカフェで提供すること。
そして、そのお豆をオンラインで販売すること!
その第一歩として、これからも練習を続けます。



オンラインでの豆販売も可能です!夢は広がりますね
まとめ
手網焙煎は、シンプルながら奥深い世界。
機械に頼らず、自分の手と感覚で焼き上げるそのプロセスには、特別な魅力があります。
最初は失敗もありますが、豆の変化を観察するうちに「火」と「香り」に敏感になり、自分だけの味を見つけることができます。
田舎暮らしの静かな時間に、手網焙煎という豊かな楽しみを見つけました。
あなたもぜひやってみてください。
きっと、コーヒーがもっと好きになりますよ!
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